今回お伺いしたお宅は、呉市にあるK様宅。
屋根の下にある通気口から、スズメバチのようなものが何度も出入りしているのを目撃したため、ご依頼いただきました。
雨が強く降っている日だったのですが、それでも案内してもらった場所からは、複数のハチが飛行している姿が確認できたため、屋根裏に巣があることを確信しました。
まずは屋根裏の確認
明らかに2階の屋根下にある通気口だったので、お客様に2階から天井裏へ上れる場所がないか、ご確認したところ、ご存じないとのこと。
このご質問は、一応伺うことにはしていますが、ほとんどの方は屋根裏へ行ったことがないため、ご存じないのが普通です。
お部屋をご案内いただきながら、押し入れの天井などを棒で押し上げてみながら確認を行うと、寝室の押し入れに開く場所を確認しました。
ハチが出入りしていた場所からすると、ほぼ家の真反対のような場所だったため、もっと近くから入れる場所がないか調べましたが、見つからず・・・
やむなく、最初に開いた場所から入らせていただくことにしました。
屋根裏は暗いので、ヘッドランプを装着して、いざ突入!
もしかすると、ハチが近くまで来ている可能性もありますので、侵入する場所のあるお部屋からお客様は避難いただき、天井の蓋を開けて、頭を突っ込んだら最初に見えたのが下の写真です。
でかい、多い、しかもハチがいるはずの方から見ると反対側!
近くを飛んでいるハチや止まっている蜂も確認できないため、既に古いものとは思いましたが、最大で60cm(縦の長さ)もある巨大な巣がぶら下がっていました。
入った場所から見るだけで、3つもの巣が放置されいます。
このことを、まずはお客様にご報告。
詳しくお話を伺うと、
母親に問いただしたら、以前に屋根裏へ入った業者さんから、蜂の巣が残っていることは教えてもらっていたみたいです・・・放ってたんですね・・・
とのこと。
どうも、以前からハチが屋根裏へ出入りしていたようですが、お母様は気にならなかったようで放置しておられたみたいですね。
屋根裏づたいに、今回ハチの出入りを見かけた場所付近まで移動してみると、ヘッドライトに気が付いたようで、ハチが警戒態勢に入ったため、とりあえず近づくのは断念しましたが、遠目に見ても、その場所付近にも複数の巣が・・・
移動経路沿いの屋根裏も確認しながら梁の上を移動しましたが、途中にも巣が残っています。
以前の巣についてどのようにするか、K様とご相談したところ、取ってほしいと仰せ。
さらに、
ハチに巣を作られるのは嫌なので、もう入ってこられないようにできませんか?
というご要望があったため、通気口に金網を設置するところまで含めたお見積もりをお出しさせていただきました。
その場で了承いただけましたので、さっそく作業開始です!
いざ駆除へ!
いったん車両へ戻り、駆除道具一式を屋根裏への出入り口がある部屋へ運搬。
自分も防護服フル装備にし、いざ駆除開始です!
梁の隙間が狭い場所もあるため、防護服を着ていると動きにくいのですが、明らかに大群のキイロスズメバチが相手ですので、命を優先するほかありません。
雨が降っているとはいえ暑い日だったので、短時間で決着をつけなければ、自分が持たない・・・
天井の蓋を開けたままにしますので、再びお客様には避難いただき、装具を抱えて屋根裏へ突入!
ハチが出入りしていた通気口の近くまで行くと、屋根裏を飛んでいたキイロスズメバチが一斉に攻撃を仕掛けてきました。
これでひるんでいるわけにはいきませんので、現在使われている新しい巣の出入り口に向けて殺虫剤を噴射しました。
さらに巣の内部へ向けて噴射し、巣の外殻を一部破って、そこからも噴射します。
周りからは執拗に働きバチが攻撃を繰り返してきますが、防護服があるので、こちらは気にせず近寄るハチを叩き落していきます。
蜂の巣本体から羽音が聞こえなくなるまで、約5分ほどの死闘を繰り広げ、外から戻ってくる働きバチに警戒しながら巣を撤去しました。
やっと写真が撮れる状態になったので、撮影したのが下の写真です。
真ん中の巣が今年作られた巣で、他は以前に作られたもの。
写真では隠れてしまっていますが、もう一つこの場所にあったため、ここだけで5つの巣を撤去しました。
屋根裏に残っていたすべての巣を撤去し、全部で10個のスズメバチの巣と、数えていませんが複数のツチバチのものと思われる巣を撤去し、巣の除去まで完了です。
ハチが入ってこられないよう予防対策
巣を取ったことで通気口がよく見えるようになりましたが、見てみると、虫などの侵入を予防するための対策が一切されていなかったことがわかりました。
よく見かけるのは、通気口のパーツ自体に網が組み込まれていたり、裏側から網を貼り付けてあったりというものですが、金属の網ではない場合は、ハチに食い破られて侵入を許しているケースも見られます。
こちらのお宅の場合は、それらすら無かったため、ハチからすれば入り放題といったところだったようですね。
ご要望に従って、金網の張り付け作業を行いました。
大きめに切った金網をビスで取り付けているだけですが、ハチが通過できなくなるため、効果はてきめんです!
撤去した巣は45リットルの袋が4つ満タンになるほどあり、屋根裏で撮影した金網の張り付け写真と合わせて、ご家族に確認いただいて作業は完了しました。
特にお子様が興味をお持ちいただいたようで、撤去した巣の構造など現物を見ていただきながらご説明差し上げました。
ご自分で携帯の写真を撮影しておられましたので、ちょっと珍しい記念にしていただけたかと思います。
ご利用いただき、ありがとうございました!
今回の駆除からわかること
今回の駆除作業には、いくつかのポイントがあったと思います。
これだけ多くの巣を撤去するケースはあまりありませんので、注意点という意味でもまとめておきたいと思います。
蜂の巣は見えない場所でも撤去したほうが良い
ミツバチ以外の多くのハチは、冬になると女王バチ以外が全滅し、巣は空になります。
そのため、時期によっては駆除することなく、放っておくという選択肢もあり得るのは事実。
しかし、駆除せずにおくと、以下のような問題が発生する可能性が高まってしまいます。
- 残っているハチの巣を材料に使って、翌年以降に新しいハチの巣が簡単に作られてしまう
- そこで生まれた女王バチは、巣を作れる安全な場所として覚えてしまう可能性がある
- 他の害虫などが住み着いてしまう場所になる可能性がある
- 成虫だけを駆除した場合、天井から幼虫などが垂れてくる原因になる
詳細は別の記事を作成したいと思いますので、ここでは割愛します。
通気口のチェックはしておくべき
木造建築ばかりではなく、鉄骨造や鉄筋コンクリートなどの場合でも、内部の湿気防止のために通気口が設けられているケースがほとんど。
そこが今回のお宅のように、まったく防護をしていない状態になっていると、スズメバチのような危険な虫はもちろん、他の衛生的に問題のある害虫も入り込む可能性が高くなります。
屋根裏につながるものや床下につながるものなど、どこでも防虫対策は行っておく方が、のちの危険や不衛生を予防することにつながります。
害虫対策の一環として、ご対応しておりますので、広島県内と隣県の方はご相談ください。
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